
有名人なら、自分の知らないたくさんの人が知っているので、声を掛けられることもあるでしょう。
しかしながら、有名人でない場合、相手が知っていれば自分も知っているはず。
記憶が薄くて忘れてしまったという場合もあるでしょうが、それはカウントできません。
なので、有名人でない場合、知らない人に声を掛けられるというのは、忘れてしまった、もしくは覚えられなかった人ということになります。
もちろん、それは失礼なことでしょうから『誰かな?』と思ったら、知ったふりをする場合もあるでしょう。
先日、町内のおばさんたちと話したのですが、記憶が衰えて、そのような思い出せない相手と対峙することが多くなったと言います。
その場合、知らなくても知ったふりをしてやり過ごすんだとか。
それで何十分も会話できるというから驚きです。
そんな中、昨日、私も知らない相手から声を掛けられたのです。
状況はこうです。
その日、私は仕事で、旅館などを回っていました。
そのうちの1軒で、宿の玄関で帰り支度をしているお客さんが私を呼び止めるのです。
そのお客さんは初老の女性2人組。
はじめは呼び止められませんでした。
宿の女将さんに『観光協会の者です』とあいさつをしたそのセリフを聞いて、
『ん?もしかしてあの観光協会の人ですか?』という具合です。
私は不器用なので、知ったふりなど出来ません。
だからといって、あちらはご存知なのに、どちら様ですか?とも聞けません。
なので、ここ近年でも一番の高回転で頭を回します。
“旅行のお客さんだから、県外の遠い親戚かな?”
“法事の時の地方から見えた会葬者は知らない人が多かったから、そこで会った人かな?”
“いや、それなら屋号で呼ぶだろうから、『観光協会の人?』とはならないぞ”
“仕事なら県外出張で知り合った人かな?”
“いや、もしかすると、旅行客ではなく、地元の女将さんの友達かもしれない?”
“どこで会った?”
“本当にどこで会った?”
“いや、本当にどこで会った?”
“落ち着け、冷静になれ、どこで会った?”
“本当にどこで会った?”
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と、この間1秒。
しかし、私の良くない頭では、いくら回しても答えが出ません。
すると、それを察してか、お客さんは身元を明かします。
『前に観光案内の電話でこの宿を紹介してもらった〇〇です。』
なんと、そんなパターンもあるのか!と驚愕の私。
ですが申し訳ないことに、この仕事、毎日何十件も電話があり、その全てを記憶しておくのは至難なのです。
お客さんは名乗ってくれましたが残念ながら思い出せません。
なのに、お客さんは目をキラキラさせて、
『本当にこんな素敵な宿を紹介してくれてありがとうございます!』
『日留賀岳も無事に行って来られました』
と言うのです。
ん?日留賀岳?
日留賀岳というのは塩原にある山で、登山の名所でもありますが、問合せは少数。
なので、ここまで絞れれば、どんくさい私の頭でもなんとか思い出せます。
私『おお!〇〇さん!これは偶然ですね!』
〇〇さん『今、女将さんと観光協会のあなたにすごく親切にしてもらって、とても良かったって話していたんですよ。』
思い出せれば会話も弾みます。
それにしても、これはスゴイ偶然です。
自分が電話で案内したお客さんが実際にその宿に泊まり、しかも玄関でバッタリ会うなんて。
しかも、お客さんはかなりご機嫌。
これは嬉しい出会いではありませんか。
この仕事はこのような素敵な出会いがあるから嬉しくてたまりません。
あまりにも嬉しくて、なんの情報発信にもならない記事を書いしまうほどです。
一人でも多くのお客さんに喜んでいただけるよう、これからも頑張って行きたいと思います。
詳細はこちら: http://blog.livedoor.jp/shioryo1/archives/51992203.html