
なんでも、ボランティアガイドについて調べたいとか。
温泉地でのボランティアガイドの効果というようなテーマで卒業研究をしたいと言うのです。
こういった電話はたまに受けます。
前に受けたのは『温泉地における風俗店の存在』について。
女子大生に「そーゆーお店は何軒ありますか?」と白昼堂々聞かれた時は正直困りました。
参考までに、塩原にそういうお店はありません。
さて、今回の話に戻ります。
その大学生は塩原にボランティアガイドがいることを知り、ガイドやツアー参加者、さらには一般のお客さんに色々なアンケート調査をしたいと言うのです。
いやはやどうしたものでしょう。
ガイドは塩原に常駐していないし、ツアーはお客様から予約を受けたときしか行わないし、一般のお客様に関してはどのように聞いたらいいものか、どう考えても簡単に出来そうもないのです。
塩原のボランティアガイドとツアーの現状を説明し、調査方法を大学生と考えます。
彼女はアンケート用紙をそれぞれに書いてもらうのはどうかを提案。
しかし、ガイドやツアー参加者にはアンケートをお願いできても、一般の人にアンケートを取るのは至難の業。
ガイドツアーがあるのをご存知ですか?知っていたら利用したいですか?といった質問ですが、それを観光施設にただ置いても書いてくれる人はほとんどいません。
やはり、実際に声を掛けるのが効果的。
そこで、塩原に来て、現地調査をしてはどうかと提案。
首都圏の学生さんに、はるばる栃木まで来いと言うのは忍びないですが、この苦労も必要かと思い、私は心を鬼にしてこの提案をしました。
どうせ来るなら、まちめぐりツアーのある日にしようと、日程を調整。
そして、2泊3日での調査になったのです。
それが先月のこと。
ツアーは10名以上の予約だったので、参加者からの答えはそこそこの数が集まりますし、別の日のツアー参加者にもアンケートに協力してもらったので、そこは十分。
ガイドはその日のツアーに数名が当たったので、その人数分ゲット。
問題は一般のお客さんです。
彼女が直接、見知らぬ人に声を掛け、アンケートの趣旨を説明し答えを聞くという難しい任務なので、私は心配でしたが、それ以前にお客さんが少ない日だったのです。
話を聞こうにもお客さんがいなくては話になりません。
そこで、他にお客さんが良そうな場所を教え、そちらへ行ってもらうことに。
ところが、車の無い学生さんは移動も大変。
1時間に1本程度のバスに往復1,000円以上の運賃を払って、いるかどうかも分からない多分いるであろう別の場所に行くのです。
こちらが車を出したり、声掛けの手助けをすることはできますが、それでは彼女の為にならないと思い、私はただひたすら検討を祈りました。
すると、彼女はバイタリティーが人並み以上にあるのか、冷たいあしらいをするお客さんにもめげず、アンケートをしっかりと取ってきたのです。
そして、帰路へ。
数日後、彼女からお礼のメールが届きます。
そして、そこにはボランティアガイドへのアンケートが少ないから、また調査をしたいとあるのです。
データが足りないとからまだ行動するという姿勢に私は驚きました。
これはなんとしても良いデータを取れるよう協力したいではありませんか。
ガイドへのアンケートなら紙を渡すだけ、今の時代ならメールなどのデジタルデータで済むので紙すら入りませんが、実際に対面してこそ出る話もあるでしょうから、塩原にまた来てもらって、ガイドの皆さんと会える日をセッティングしたのです。
それが昨日。
前回の記事に書きましたが、まちめぐり案内人の研修会があるのです。
そこには会員の大多数が集まります。
そこに学生さんのヒヤリングを設ける作戦です。
彼女は2~5名に聞ければいいと言っていましたが、ふたを開ければ10名くらいが参加。
私も同席しましたが、そこでしか聞けない体験談や、みなさんの思いが飛び交う有意義な席になりました。
話の脱線が著しかったので、彼女には欲しい答えが的確に来ないというもどかしいシーンもあったでしょうが、それも含めいい経験になったと思います。

ヒヤリングの様子です。
会員同士でガイドや塩原に対する思いを語り合う場面は意外とないので、こういう席はとても面白いですね。

紙1枚程度の質問量でしたが2時間もの話し合いになりました。
論文が出来たら送ってくれるとのことなので、楽しみに待ちたいと思います。
詳細はこちら: http://blog.livedoor.jp/shioryo1/archives/52017873.html